ガレリア・プロバ

ガレリア・プロバ1989年7月発行「La Gazzetta 創刊号」
ニューヨークアートエキスポレポート

“アートエキスポ”とは、その名の示す通り“アート”(絵画、彫刻、その他の美術品と評されるもの全て)を一堂に会し、その作品売買を主たる目的とした一大国際見本市のことであります。

現在、世界各地で数ヶ所の“アートエキスポ”が定期的に開催されていますが、各々に特色のある内容になっている為(ポスター・版画中心とか、抽象画中心など)、各画廊(商)は、その取扱い作品に適した“エキスポ”に参加するのが通例となっています。

そういった意味もあり、私共プロバは今回も昨年に続きニューヨークに的を絞った訳です。

今回の目的は、
  1. ハロルド・アルトマンのリトグラフ作品発注
  2. 全米から集まっている有力パブリッシャーとの商談
  3. 新人作家の発掘
等々です。 特に1.のアルトマンの方は、アーティストが年に1回、ニューヨークのアートエキスポでしかその年の分の作品を発表しないので、昨年以来、日本においての独占販売権を得ている当プロバとしては、決して逸することのできない期間ということになります。

彼のブースへは初日の朝一番で訪問したのですが、すでに数多くの人々が真剣なまなざしでオーダーしているのを見て、今さらながらその作品を独占的に扱える名誉と幸運をひしひしと痛感しました。

作家アルトマン氏とそのマネージングをしている息子のトビーもプロバに対して非常に協力的で、あわただしいニューヨークランチ(ピザ2切れとコーク)をとりながら今秋に予定している大アルトマン展の為の来日要請にも快く応じてくれました。

ハロルド・アルトマン「Harry's House」
ハロルド・アルトマン「Harry's House」


ハロルド・アルトマン「Bow Bridge」
ハロルド・アルトマン「Bow Bridge」

2.のパブリッシャー関係にしても通常ならば全米各地に拡散している、プロバとすでに取引関係にある有力パブリッシャー達と同時期に同地域で会えるという大きなメリットがある為、非常に効率的で有意義な話し合いを持つ事ができました。

特に過去数年において、かなりの量(アートマーケットそのものが小さいという理由もあるのですが)の仕入れ実績をよい形で残すことが出来た為、「ガレリア・プロバ」の名前が米国アートマーケットにおいてもかなり浸透し、それなりに高く評価されていた事に対してはひそかに誇りに感じる事ができました。

残念ながら3.の新進アーティストに関しては興味を引かれる様な作家を見つける事はできませんでしたが、その時のそれぞれの作家の売り込みをしているセールススタッフの真剣さには目を引かれるものがありました。

今回も、数百ある参加ブースの中の半数以上が、奇をてらったものやお土産品に毛のはえたような作品で(かなりの独断と偏見を御容赦下さい)何とか一発をともくろんでいるような連中ばかりなのですが、その作品の良し悪しにかかわらず、それを進めるスタッフの真のプロフェッショナルとも言える説得力にはいたく感心させられると同時に、自分たちが扱う作品に対してゆるぎない自信をもつという、こうした姿勢は即刻私共プロバも見習うべき重要なポイントの一つではないかと考えさせられました。

今回もニューヨークという、常に一種の緊張と刺激と若干の恐怖を感じさせる興味深い都市において、2日半(内2日間はアートエキスポ)という短い期間にもいくつかの新鮮な発見をさせられましたが、それを今後何らかの形でプロバに反映させていきたいと考えております。

最後に、今回の出張に同行してくれたグレゴリー・エンタープライズの社長、グレゴリー・サンコヴィッチ君の多大な協力に対し、この紙面をかりて深く感謝したいと思います。

これからもプロバはより一層グローバルな視野に立ち、常に皆様の注目を浴びつづけていられるような魅力あるアートギャラリーづくりを目指していきたいと願っております。

今後もかわらぬ暖かい御支援をなにとぞよろしくお願い致します。
株式会社プロバ 取締役専務 鈴木洋児
newyork


ART VOCABULARYアートボキャブラリー
石版画。 元になる石版には石灰石が使われていましたが、現在は亜鉛やアルミ板を用いることが多いようです。

原理は水と油の反発作用の応用です。
まず、版材にクレヨン等で描画した後、薬品を塗ります。
化学反応によって描画部分は水分をはじき、描画していない部分は水分を保つ性質に変わります。

この版の上に油性インキをローラーで転がすと、水と油の反発作用で水分のない描画部分にはインキが付き、逆に非描写部分は水分があるためインキをはじきます。

この状態の上に紙をのせプレスすれば、最初に描写された部分だけが刷られてくるというわけです。

リトグラフは、木版や銅版やシルクスクリーンのように版材を彫ったり腐蝕させたり、またはカッティング或いはブロッキングといった技術的な制約がないため、ほとんど紙の上に描くのと同じように自由に、かつ細かい調子で表現できるのが特徴です。


ノーマン・ロックウェル展1 >> 
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このページは1989年7月14日にガレリア・プロバから発行された「La Gazzetta 創刊号」の内容を掲載したものです。


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