ガレリア・プロバ

ガレリア・プロバ1990年1月発行「La Gazzetta vol.3」



丁紹光


ティン芸術の基本は東洋的線写。
繊細で流れるような線と、張りつめた力強い鉄線描にあると言われます。
しかし、私達の心に訴えてくるこの大きな優しさと情感は、一体どこから来るのでしょうか。
ティンの作品にはなぜ、女性が多いのでしょうか。

1939年、戦乱の中国に生まれたティンは、6歳の時、母と生き別れします。
苦学して北京の中央芸術学院から中央工芸美術学院へ進み、壁画と西洋画を専攻。
唐・宋・元時代の美術の骨法や仏像の表現形式、彫刻を研究し、同時にピカソを始めとする西欧美術に触発されました。
1962年から18年間は、雲南省の昆明教育大学で教鞭をとります。
当時、芸術の原初形態に興味を抱き、ゴーギャンにも憧れていた彼は、ビルマ国境に近いシーシャンバンナの森で、のちの彼の作風に強く影響する啓示を受けました。
亜熱帯のこの森林の自然の声明が奔出する色彩が、何らかの霊感となったのでしょう。
母・原始・太陽・生命・色彩・・・こう考える時、「虚幻美空」と言われるティン芸術の情念のルーツが見えて来ます。
一方、文化大革命の中では甘粛省積山石窟、敦煌石窟などに壁画技法をきわめ、ついで北京・人民大会堂の壁画も制作しました。

1980年、いわば墨絵の中国からアメリカに渡った彼は、東と西、古代と現代、心と技の融合をはかり、彫刻を発表し、現代中国美術を代表する巨匠として地位を築いています。
丁紹光「春の雨」

丁紹光「子守唄」
丁紹光「子守唄」シルクスクリーン

丁紹光「フライト」
丁紹光「フライト」ブロンズ

丁紹光「渓流の調べ」
丁紹光「渓流の調べ」シルクスクリーン
丁紹光「招魂」
丁紹光「招魂」シルクスクリーン


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このページは1990年1月26日にガレリア・プロバから発行された「La Gazzetta vol.3」の内容を掲載したものです。


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