ガレリア・プロバ

ガレリア・プロバ1990年4月発行「La Gazzetta vol.4」

●スペイン人の睡眠時間●

スペイン人の朝は早い。
日本と同様、道路は7時頃にはすでにラッシュが始まっているし、あのプラド美術館では話題のベラスケス展を観ようと開館前から長蛇の列だ。

かといって夜、みなさん早寝な訳ではないのだ。
何たって晩御飯、夜10時からがフツーという国。
食べ終わって12時過ぎ。
もう次の日になっているではないか。
でもまだここでは眠らない。
夜はこれからよと、そのあと、じゃあ飲みに行こうか通りに行こうか、ということで遊び終わるのは3時過ぎ。
これは「明日休みだから朝寝坊できるし―」という週末のお話ではない。
れっきとしたウィークデイの普通の人の普通の暮らしぶりらしい。

ちょっと御存じの方は「あ、だからスペインにはシエスタ(お昼寝)の習慣があるのね」と思われるでしょう。
そう、スペインという国は、午後2時から4時までお店はしっかりclose(レストランなどは別のようです。なるほど、閉めると国中が昼食抜きになります)。

だけど実はシエスタとか云っておきながら人々は寝てなどいないのである。
食事をしたり、あとはシャワーを浴びたりしているんだそうです。 それが本当ならスペインの人々の睡眠時間はナポレオン並みである。
それとも夜更かし組と早起き組が交替で活躍しているのであろうか。
そう云えば3年前、中国の広州を訪れた時もそうだった。
お粥(中国の朝御飯)を出すお店などは朝6時にはとっくに開いており、公園ではラジオ体操がわりに太極拳とか皆やっている。
さぞかし夜はもう8時位には皆さん床についておられるのだろうと思いきや、夜中2時過ぎまで通りはざわついていて、こっちが眠れないのである。

ひょっとして、日本人は世界で稀に見る“よく眠る国民”なのではなかろうか。
私たちが何も知らずに暢気にヨダレなどたらして眠りを貪っている頃、世界中の人々は何倍も夜を楽しんでいるのである。
日本に文化が育たないと云われるのはきいっとそのせいである。
残念だ。
医学的根拠はないと最近では云われる“平均睡眠時間8時間”に慣らされたこの体が恨めしい。


ベラスケス展に並ぶマドリッドの人々。
――プラド美術館の前で。
●おまけ●
ところでスペインにはおいしいお料理がたくさんあります。
しかし私は悲しい日本人の性、数あるメニューの中からつい「えび」を選んでしまう。 何故かエビ。 高級料理店のえびはそりゃあもちろん美味しい。 しかし私が感動したのは、本当に何ということもないフツーの居酒屋さん出て来た“ガンバスア・ラ・プランチャ”でした。
B級ホラー映画のタイトルのような恐ろしい名前とは裏腹に、それは愛らしい小エビを軽く油で炒めたとても素朴なおつまみです。
たぶん、日本でいえば枝豆のようなものだと思います。
その国では非常にポピュラーなんだけど、よその国では知られていないというものがあるんですね。
皆さんもスペインへ行ったら、“ガンバス・ア・ラ・プランチャ”、試してみて下さい。
S.Y.


冬はヨーロッパが激安!!なんてお考えの方、ちょっとお待ちください。

格安ツアーの広告に心奪われ、早速行って参りました。
冬のそれも極寒のパリへ。
旅費は安いし、ソルド(バーゲン)の時期だし、今行かなくてどうするとばかりに飛び立った、浅はかな私のとんだ災難をいくつか。

まず旅行の中でも、そのかなりのウェイトを占めるホテル。
ホテルによって、旅の全てが決まるといっても過言ではない程。
ところがこの時期、何故かどこもかしこもいっぱいで、パリ市内にはホテルがとれないとの報告。
ツアーの予定表には「パリ市内泊」としっかり書いてあるにもかかわらずベルサイユ方面さらに南へ行った郊外の街に泊まることになりました。
パリから車で約1時間、電車でも40分もかかる所です。
しかしこれも格安ツアーゆえと自分に言い聞かせ、郊外に泊まるのもなかなかおしゃれ?と取りあえずは納得いたしました。

ところがパリに到着し現地の人の説明を聞いていると、なんとパリ―ベルサイユ間の電車がストライキ中とのこと。
電車を利用しなければ市内へ行けない私達。

いったいどうしろというの!!
でもこの時期、こんな事も多々あるので旅費も安いのかしら、やっぱり・・・またまたぐっと気持ちを押さえ心の中でつぶやきます。
“何と言っても格安ツアー”。

さて、パリと言えば忘れてならないのが、ベルサイユ宮殿。
まァ色々あってものこの時ばかりは、ここの近くに泊まっていることに感謝などして。
パリ市内からだと車で40~50分、電車でも30~40分はかかるところ、でも私のホテルからだと電車を使えば約10分、車でも15分の道のり。
悪い事ばかりじゃないのよ、世の中は、などと考えながらイソイソとベルサイユ宮殿に向かいました。
ところがなんとこのベルサイユ宮殿までストライキをしていたのです!!
こんな所までストライキ――。
門はかたーく閉ざされ憧れの絢爛豪華な室内は見ることができません。

他のバスツアーも知ってか知らずか続々とベルサイユの駐車場に入ってきます。 結局旅行会社といえども現地に来てみなければ(いいえ現地の人でさえ)ストライキをやるかどうかなどわかるはずもないというわけです。
こんな時に頭をよぎるのは“格安”の2文字。

とにかくこんなオフシーズンだからストも堂々とやっているのだろうと、こんな2月の格安(しつこい?)ツアーに参加した自分を責めていた私でしたが、パリに住む知人に聞いたところパリでは本当にストが多いとの事。
電車のストなど長い時は2~3か月もやっているそうで、その間は他の路線やバスを使って通勤するのよ、と平然。
どうやらフランス人は、大のスト好きらしい。
でも、とゆーことはトップシーズン100万円払ってもこんな事がある・・・かも?
ご用心くださいませ。

●番外編●
パリ最新ニュースをひとつ。
パリの名所、ルーブル美術館。
プロバのお客様なら絶対に訪れたい場所のひとつだと思います。
日曜日というとデパート等全て休みになってしまうパリでは毎週日曜に入場無料のルーブルは絶好の観光場所とされていました。
ところが、ちょうど私の行った1990年2月4日から日曜も有料に。
他の日同様27フランをしっかり支払うことになります。
これからパリへお出かけの方、今売られているガイドブックにはまだ載っていないはずです。
どうかわざわざ混んでいる日曜日に27フラン払うことのない様お気を付け下さいませ。
M.I.



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このページは1990年4月8日にガレリア・プロバから発行された「La Gazzetta vol.4」の内容を掲載したものです。


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